令和２年9月26日(土) 金水晶蔵元をお呼びしての日本酒勉強会を行いました。
当日のレポートを記します。
当日の参加者は11名。初めてご来店の方はじめ、皆さん日本酒大好きな方々ばかり。
近年、福島県内酒蔵の実力は目を見張るものがあります。全国新酒鑑評会での金賞受賞蔵の数はこの数年日本一です。東北の大震災で福島の酒は多大なる被害を受けました。府中の地から見ていても余りにも理不尽な扱いでした。そんな中、福島の蔵元たちは美味い酒を造ることで世間を見返してやると精一杯の酒造りをして来ました。その結果が鑑評会の金賞につながって来たのです。
又、県を上げて酵母や酒米の研究開発に取り組んできた結果、酒質の向上が顕著で日本酒を取り扱う酒販店、飲食店での評判がとても高い。
たか田と金水晶との出会いは・・・
令和2年の正月明け、街の中は正月気分がまだ残る中、たか田の暖簾を潜って頂いたお一人のお客様がいました。その方は正月の企業回りの挨拶のため福島市から来られ、その晩はたか田近くのビジネスホテルにお泊りとのことでした。飲み進めていくと、地元福島市に唯一ある酒蔵が結構うまい酒を造っていて時々買いに行くとのこと。又、その蔵の酒がサミットで使われているとのお話・・・
とても気になる情報をお聞きして早速連絡を取ることにしました。
その蔵こそ《金水晶酒造店》 私の酒歴でも全くノーマークの酒蔵。
社長の斉藤美幸さんとお話するにつれ金水晶の奥深さを感じてお取引をさせて頂くことができました。
金水晶の味わいに共通するのは、清冽な仕込み水に米の旨味を上手に乗せたとても綺麗な酒質、澄んで程よく香る吟醸香。後味の爽やかさに食事との相性もとても良い。
たか田の酒ラインナップにない酒と感心した次第です。
コロナ禍の中、今回、酒の会の予定を入れてくれた蔵元の斉藤様、たか田酒の会の為にお時間を作ってお越し頂きました。
当日、17:30前には到着頂き軽く打ち合わせをしお客様の到着を待ちました。
事前打ち合わせと斉藤様の見立てで送られて来た酒は5酒。
今回の蔵元セレクション
- 金水晶 大吟醸 兵庫県産山田錦100%使用 40%精米
※2019 G20 大阪サミット提供酒 - 古関メロディー 純米大吟醸 福島産 福の香100%使用 45%精米
- 金水晶 純米吟醸 無濾過生原酒 中取り 福島産 夢の香100%使用 55%精米
- 金水晶 ひやおろし 純米吟醸 福島産 五百万石100%使用 60%精米
- 金水晶 純米 一回火入れ 福島産 五百万石100%使用 60%精米
※純米酒大賞2年連続受賞
金水晶名誉杜氏 佐藤政一氏は 平成27年度の福島市技能功労賞を受賞し、福島市の名工会員となられており、金水晶の味わいを決めている《仕込み水》がもたらす優しくクリアな味わいや福島酵母の開発の話、福島独自の酒米開発のお話など多岐にわたりお話頂きました。
特にサミットに使われた大吟醸のお話は意外でした。サミットに金水晶が使われた事は、サミット後に政府から聞いたそうです。それは事前に告知してしまうと、製品に毒物を混入されてしまうかも知れないので、との事。
確かにトランプ大統領も口にする酒ですので納得のお話。
金水晶の味は、
①地元福島の自然が育てた素晴らしい米
②地元出身の杜氏や蔵人
③緻密な原料処理と仕込みの適正化
④小仕込よる醪の管理
⑤瓶貯蔵による製品管理
これらにより更に美味い酒へと昇華していきます。
蔵元の穏やかなトークに載せて用意した酒達を手際よく出しつつ たか田の料理を食べて頂きました。
たか田酒の会 特別コース料理
- 生湯葉、焼き茄子のお浸し
- 刺身《わらさ、帆立、たこ》
- 秋鮭 幽庵焼き
- たか田特製 土瓶蒸し
- カレイ唐揚げ 琥珀餡かけ
- 赤鳥と牛蒡の炊き込みご飯
穏やかに、しかし確りと蔵元の話に耳を傾けるのがたか田酒の会『翁乃会』の真骨頂。今回、初めて蔵元酒の会に参加頂く方も有り蔵元の現場の臨場感ある説明に皆さん納得の表情。酒にまつわる質問も沢山飛び出して蔵元のトークは途切れ知らず。
3時間の会はあっと言う間に過ぎます。会の最後に蔵元が用意して下さいました金水晶特製利き猪口と一合枡の争奪の大ジャンケン大会でまたまた大盛り上がり。
今回、たか田に来る為にわざわざ時間を作り足を運んでくれた蔵元に感謝です。
今回も《酒は人なり》を感じました。
仕込み水のクリアな口当たり、福島産の酒米の品質の良さ、福島酵母の上品な吟醸香、実直な蔵の仕事ぶり、どれをとっても美味い酒になる要素に富んでいます。
特に蔵の周りの緑濃い田んぼが広がり自然豊かな福島の環境がこの酒の核心なのだと感じます。
日本酒王国 福島、その中でも金水晶の実力を今回の酒の会でも感じ取ることが出来ました。
斉藤社長、色々と有難うございました。
次回、個人的にも日本酒談義をさせ頂きたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
